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Channel: ムーンロックの日記
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新木場サンセット syrup16g  ― rebornのその先へ

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 私が初めてシロップのライブを観たのはいつだったかと思い調べてみた。
それは2003年6月19日(火) 札幌ベッシーホールで行われたイベント
「complex sound vol.2」
レミオロメン、LOST IN TIME、BAZRA、syrup16gの4バンドが出演。
今見ると、「お~~!」っとなるバンドが並ぶ。
そう、この時レミオロメンは「フェスタ」を、LOSTは「群青」を出した頃。BAZRA
はこの日が初聴き。今の私の音楽的嗜好はこの時に決まっていたのかもしれない。

この時のsyrupのセトリ

1.ex.人間 2.新曲 3.coup d'état~空をなくす 4.神のカルマ
5.新曲 6.月になって 7.不眠症 8.正常

この時はBUMP繋がりの友人に誘ってもらっての参戦だった。
BUMP 藤原がdelayedに入っている「水色の風」にコーラスで参加しているというのでsyrup16gに興味を持ち初めて買った音源がdelayed。
もう13年も前の事で記憶も定かではないが左足を上げながらギターを弾く五十嵐が
今と同じステージに向かって右側で演奏していたのは忘れてない。

調べて見たらsyrupが北海道に来たのは3回。このイベントと翌年にワンマンをクラップスホールで、それとRSR2004。本当に少ない。
まぁライブの本数自体が多くないから仕方がないか。


     イメージ 1


今回新木場サンセットのチケットがまさか当たるとは思っていなかった。
BUMP日産に加えて新木場が当たり、行かない理由などなかった。
「Last Day」も「再発」も「kranke」「Last Party」も観ていない。
今度いつ動き出すかわからない。
しばらくの間、家族の事情でBUMP以外の音楽にはそんなに触れて来なかった。

今年になって「Last Day」の映像にココロ打たれた。
syrup熱の再燃。
どんな時々を経て解散に至り、再発したかを知るにつけ大好きな音楽だった
syrupを思いだす。
当時はどっぷりつかって聴くと自分がブラックホールから抜け出せなくなる様
で怖かった。しかし10余年がたってじっくり聴くsyrupは私には絶対的に必要な
音楽だという事に気付いた。繊細かつ人間の闇の底までのリアルを歌う信頼すべき
バンドだった。

 前置きが長くなってしまいました。

新千歳空港から飛んで来て4日目、7月20日(水)、東京の天気は晴れ。初めての新木場。海も見える美しい風景。
最初は熱かったが夕方近くなると段々と涼しくなって来た。
16時半頃に着き入場をしばらく待つ。この日は5つのバンドが出演予定。
タイムテーブルは入場をしてみないと分からない。
入場が始まり、タイムテーブル確認。何と8823stageのトップ。

      イメージ 2
ドリンク受け取りもそこそこに会場に向かう。
2015年のラスパ以来動きのなかったsyrupはどんな音を鳴らしてくれるのか。
10数年の時を経てここに来れた幸せと期待で鼓動が早くなる。

      イメージ 5

ステージ前に行くとすでにたくさんの人が。私は10列目くらいか。
それでもすごくステージに近い。
しかも五十嵐寄りだ。

        イメージ 3

18時。
ほぼ予定時刻通りにステージの幕が上がる。スモークがたかれて白く煙る。
そしてライトに照らされて浮かび上がる五十嵐の姿。
あぁ、「聞こえるかい」だ。


☆セットリスト
1.聞こえるかい
2.to be honer
3.生きているよりマシさ
4.センチメンタル(spitzリクエスト)
5.share the light
6.coup d'état~空をなくす
7.翌日


 
始まる前から観客の期待が大きいのが伝わって来る。
サウンドチェックの音に観客が反応する。
1曲目「聞こえるかい」からよく声が出ている五十嵐。観客は早くもモッシュ状態。マジで?ってなった(笑)シロップのお客さんは地蔵じゃないのか?
イヤ、それくらいみんな待って待って興奮してるんだよね。
五十嵐の風貌。髪の毛を短めにカットし
ヒゲも無く初期の頃の五十嵐の様だ。バンドとしての纏りも文句がない。
途中から入ってくるマキリンのベース。位置的に背伸びをしないとマキリンが見えない。マキリンのベースワークをこの目で見にくいのが残念で仕方がない。
やがてドラムも絡み3人のアンサンブルが完成する。
間奏でのマキリンのベースリード。これを生で聴きたかったんだ。
6/8拍子のリズムに気持ち良く乗っかってくる「聞こえるかい」の歌詞。
五十嵐の叫びが胸に迫る。
2曲目「kranke」よりto be honer。
3曲目「生きてるよりマシさ」Hurtの中での好きな1曲。
 
         君といられたのが嬉しい    
         間違いだったけど 嬉しい
        会えないのは ちょっと 寂しい  
        誰かの君になってもいい 嬉しい

        
自己中な考えだけれど、五十嵐がこのステージに立てた事を喜んでいる気がした。

4曲目「センチメンタル」の前に五十嵐のMC
映像で見た五十嵐と同様に中学生みたいにたどたどしく、恥ずかしげに話す。

「spitzのカバーをと思ったんですけどキーが高すぎて声が出ないのでspitzからのリクエストで(趣意)」

正直この曲を聴けるとは想像してなかった。delayedの中でもセンチメンタル、水色の風、rebornなど聴き始めた頃はこのスローな哀しくて美しいメロディラインの曲が好きだった私にとっては涙モノだった。

5曲目「share the light」ではイントロ部分でのドラムの大樹ちゃんが立ち上がって
たいこを叩く。この曲のテンションを決めるのは大樹ちゃんのドラムにかかっている。そのテンションは充分で。五十嵐が中央に出て来てギターを弾く。
歯を食いしばって弾く。
そして6曲目いよいよ熱気を帯びて最高潮でなんとcoup d'état~空をなくす!
 
声が聴こえたら神の声さ
声が聴こえたら神の声さ

五十嵐のボーカルが始まるとまたもモッシュが起きる。

そしてラスト翌日。

この日アンコールはなかったけれどラスト曲翌日で次を感じさせずにはおかない希望を垣間見たような気がした。7曲の中でこれだけのテンションまで持って行けてるそのパワー。8か月活動していなかったにも拘らず。大樹ちゃんがshare the lightで雄叫びを上げていなかったのは気になったけれどワンマンじゃなかったのでそこまで
のテンションには至らなかったのは仕方がないのかもしれない。
しかし大樹ちゃんのたいこはsyrupだとよく映える。
というかsyrupの音は大樹ちゃんのパワフルドラムなしにはあり得ない。
マキリンのベースは本当に理性と暖か味との狭間にある、他に類を見ない音を出すベースマンであると思う。感情を殺したようなマキリンのベースが敢えて五十嵐と大樹ちゃんのエモーショナルな演奏の融合で沸点に達した音にはっきりとした輪郭をつけて浮かび上がらせ、尚且つ沸点を少し下げて見せる。それがで観客に投げつけられると不思議にも聴く者は火傷をする事なくその曲を受け取れるのだ。
もうsyrupマジックはマキリンの手にかかっていると言っていいと思う。
そして五十嵐のギター。なんか新しいギターも使っていたようですね。
見た所ギターをきっちり弾けていて、魂の乗ったカッコイイギターを聴かせてくれた。

10数年ぶりのsyrupのライブは正直、冷静に聴いていられる状況ではなかった。
ただそこに、すぐ近くに五十嵐と大樹ちゃんとマキリンがいて、たどたどしいMCの
五十嵐がいて、練習をたくさんしたんだろうなとか、緊張してるだろうなとかそんな事ばかりを考えていた。
今目の前にいて演奏してくれる事実。
今ここにsyrupが存在する事実。
もう感謝しかない。
いつも言ってるかもだけど。
最高でした。ありがとう。

これから秋までは五十嵐は寝てるそうです(笑)
「今日のことをいい思い出にして、秋まで寝ていようと思います」
ですと(笑)
秋以降どうするんですかね?
まぁ、期待を半分くらいは抱いていいような気もしますが。
あとマサムネさんが、
「シロップは重いね。でもそこがいいんだよね」
そしてspitzアンコの時に田村さんが
「2004年にsyrup16gとストレイテナーとバックホーンと一緒にライブやったんだけど今年syrupとバックホーンとまた一緒にやれて、テナーもライブ観に行けて
嬉しかった」
みんな好きなバンドなんですけど~~~


いいライブでした。
お帰り!五十嵐。

        イメージ 4

*記憶違いなどあるかもしれません。乱筆乱文お許しください。


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