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Channel: ムーンロックの日記
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エレファントカシマシ 野音2days ライブレポート 1日目

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 エレファントカシマシ 日比谷野外音楽堂 2016 2days
 
        全てを背負い、未来へと向かう男たちの渾身の決意表明の2日間 
それが今年の野音だ!!
    

イメージ 1

2016.9.17 SAT  17:30~

<セットリスト>
1.ズレてる方がいい(RAINBOW)
2.歴史(扉)
3.ゴッドファーザー(グドモ)
4.ふわふわ(singles 1988-2001)
5.道(奴隷天国)
6.おれのともだち(エレカシ5)
7.too fine life(生活)
8.風に吹かれて(明日に向かって走れ)
9.いつものとおり(奴隷天国)
10.月の夜(生活)
11.珍奇男(浮世の夢)
12.武蔵野(グドモ)
13.流れ星のやうな人生(町の見える丘)
14.昔の侍(明日に向かって走れ)
15.流されてゆこう(ココロに花を)
16.Baby自転車(ココロに花を)
17.悲しみの果て(ココロに花を)
18.so many people(グドモ)
19.四月の風(ココロに花を)

2部
20.友達がいるのさ(風)
21.i am hungry
22.今宵の月のように(明日に向かって走れ)
23.涙(東京の空)
24.コールアンドレスポンス(グドモ) 
25.RAINBOW(RAINBOW)
26.FLYER(starting over)

3部
27.星の降るような夜に(東京の空)
28.夢を追う旅人
29.ガストロンジャー(グドモ)
30.ファイティングマン(エレファントカシマシ)

en
31.この世は最高!(東京の空)
32.「序曲」夢のちまた(浮世の夢)

 9月18日、新千歳空港に降り立った時、空気は最早秋。
あの野音のジメッとした湿度の高さや迫りくる高層ビルの群れはない。
ホッとしたのと同時に東京のあの空の下ではない現実に少しの寂しさを感じた。

 初の野音、初の日比谷野外音楽堂だった。何度も映像で見ていても、むせ返る
緑の中の音楽堂の前に立つと「来たな~」という気分になる。
若干の緊張感はあるものの燥ぎたくなるほどでもなく、ただひたすら彼らの音を
待つ。野音でどんな曲をどんな風に聴かせてくれるのだろう。その事だけが私を支配していた。

 SEが止み、17時半を過ぎた頃だったろうか。
メンバーが出て来る。観客からはわ~っと言う歓声が沸く。
気になっていたキーボードは細海魚さん。初めて生で聴く魚さんのキーボード。
成ちゃん、トミはいつも通り、赤毛のアン、石くんは髪の毛を帽子で隠して見えないよ(笑)。ミッキーはまた一段と髪の毛を短くしたかな?宮本はいつもの白シャツ警部(笑)

 ズレてる方がいいからのスタート。常日頃からズレてる私。そしてPVの撮影場所を見に行ってそんなに経っていないせいかこみ上げるものがある。そして次の曲が
なんと「歴史」!成ちゃんがいつものtop dogからホワイトボデーのtop dogに持ち替える。イントロのベースライン。いつも聴いている音源よりも物凄い迫力を持ち、この曲の始まりに相応しい正確な音とリズムを刻む。宮本の声もよく響く。
さすが野外音楽堂だと思う。音がとてもいい。各楽器の音の輪郭がクリアでその上野外なので、音が空の果てまで届いていくような・・・そんな錯覚に陥る。なんてステキなんだろう、この音楽堂。


イメージ 2

 そこからグドモやエピ期中心の曲が並ぶ。
私はエピ期の曲が好きだ。これぞロック中のロックだと思っている。
それは宮本がもがき苦しんでいる実像そのままが表れているからだ。
悟りきった音楽なんてロックじゃない。人はいつまでも悩んで苦しんで、そこから光を見つけて這い上がろうともがき苦しむ。
何歳になったってこのままでいいんだなんて思えない。
思ったらロックは終わりだ。

 50歳の歌うエピ曲たち。あれから約30年近くの時を超えて・・・今はどうだ?
ちゃんとちゃんとロックンロールじゃないか、コノヤロー!!
年齢を重ねてあの時の支離滅裂な宮本ではだいぶなくなっているかも知れない。
でも、未だにどこかに違和感を感じて叫ぶ宮本がそこにいた。

     この世のきまりは みんな正しいと信じられて
     身動き一つ取れない
     
     うるせぇ だまれ ボケなす
     俺に命令するな 言われた逆をやってやる
     
     道徳も法律も常識もみんな
     俺を追い込んだ動けないよ 何が自由だ

     この世のきまりは みんな正しいと信じられて
     身動き一つ取れない
               (ふわふわ)

 声はよくのび東京の空に響き渡る。私は幾度、曲を聴きながら空を見上げ、ビルを
見やった事か。
「風に吹かれて」ではライジングを思い出した。
でも、ライジングの風に吹かれての方が良かったよ(笑)
だってライジングの客は風に吹かれてをライジングで演る事の意味の重さを解っているからね。

そして「月の夜」。
なんと美しい歌か。
私は彼らのバラードが途中から叫びに変わるところが好きだ。センチメンタルに浸っていない強さが好きだ。

 時に感傷は人を弱くする。
感傷は心を休ませ、自己肯定し、不甲斐ない自分を慰める。
それも時には必要だと思う。
でもいつまでも感傷に耽っているのを私は良しとしない。
人よ強くあれ。例えば「涙」の様に。
私が「涙」が好きなのはそんな理由からだ。
特に女の簡単な涙はキライだ。
中途半端な感傷もキライだ。
最後には虚勢でもなんでもいい、胸を張ろうとする。
そんな人間が好きだ。

そんなことを、私はエレカシを聴きながら思うのである。

1日目、「序曲」夢のちまた。
遠かったので宮本の表情まではわからない。
涙声になった宮本の声。
  

      忘れるだろう 忘れるだろう 
      今日一日のできごとなど
      何をなしても忘れ行くのみで
      忘れ行くさ 夢のちまたへ


      春の一日が通り過ぎていく
      ああ 今日も夢か幻か
      ああ 夢のちまた



 孤独な若き日の頃を思い出したのか。
いや、私は今も宮本は孤独に自分と戦っていると思っている。
戦いは常に孤独なものだ。
孤独な戦も時として涙腺が緩む。

目の前に心温かきたくさんの観客がいるからだ。
宮本はこの日、この曲で自らの感情を解き放ってくれたと思っている。

全て受け止めた。
宮本よ、あなたは自らに勝って来たんだと思う。
自らを思いっきりの勇気で拓いて来たんだと思う。
私はこの日、宮本の本音を生で聴いた。聴けた。

1日目の野音はここに尽きる。
エピ曲を12曲も歌い、最後に涙したあなたの歌は心の底から素晴らしかったと思う。

               *ライブレポ2日目へ続く

☆思い出しながら書きました。間違いなどありましたらお許し下さい。


          

           

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