2018.05.26 SAT at 渋谷区文化総合センター大和田4F さくらホール
<セットリスト>*キングさん、感謝♡<S E>01.ライラック/すべてのおくりもの(2017)・・・アカペラ始まり02.約束/群青(2003)03.泣き虫/冬空と君の手(2002)04.証し/時計(2005)05.教会通り/きのうのこと(2004)06.30/()トラストオーバーサーティー(2013)<インスト>07.残像[Re-baked]/sgライラックc/w(2016)<インスト>08.No caster/DOORS(2015)<インスト>09.ココロノウタ/きのうのこと(2004)<S E>10.傘のない帰り道/sg(2018)<S E>11.一つだけ/群青(2003)(アコースティック)12.北風と太陽/きのうのこと(2004)(アコースティック)13.グレープフルーツ(ロストインタイム総選挙アコースティック部門第一位/BESTきのう編(2012)14.ヒカリ/きのうのこと(2004)<S E>15.366/DOORS(2015)16.列車/群青(2003)17.手紙/冬空と君の手(2002)18.線路の上/冬空と君の手(2002)19.希望/明日が聞こえる(2009)20.五月の桜/LIFE IS WONDER(2013)En-121.22世紀(ロストインタイム総選挙バンドセット部門第一位)/DOORS(2015)22.旅立ち前夜/さぁ、旅を始めよう(2007)23.Repentance/sgc/w(2018)En-2<S E>24.4:53am/冬空と君の手(2002)*大岡さんブログより追記しました
今年の2月11日。突然舞い込んだ知らせはとても切実なものだった。
ロストのHPに海北さんの決意表明と5月26日『悔いのない歌』ホールワンマンの開催が発表された。多くのロストファンがそうだったのかもしれないが、私はこの決意表明を読み、きっとこんな事を海北さんが言う日が来るのではないかなと思ってた事を思い出す。それは昨年の「すべてのおくりもの」レコ発ツアー初日、渋谷クアトロでの海北さんのMCの時、そして札幌でのレコ発の時もそうだった。
何か心に思う事があるんだろうな・・・と思っていた。
この日の決意表明を読んでも何を海北さんが思い悩んでいるのか、それを知る由もない。ただ、このままロストが終わってしまうってことがあるかも知れない事だけは切実に身に迫ってきた。plentyが解散してしまった。2014年に再結成したシロップがツアー後小休止に入る事もこの時すでに決まっていた。そんな事があっての海北さんの決意表明に焦りを感じた。
私の知るところなんて大したものでは全くないが、海北さんは、ロストインタイムというバンドは、いつも聴く者一人一人にたくさんの暖かい気持ちを、言葉を、歌を、想いを伝え与えて来てくれた。それはそれは人ひとりの手に余るほどに。今度はファンからロストに何かを返す時なんじゃないかなと思った。
私は基本好きなバンドに対してお花を送るとかファンレターを書くとかプレゼントをするとかそういったことは一切したことがない。寧ろそんなことをしなくても彼らの音楽を愛し、ライブに足を運ぶことこそがそのバンドへの最大の愛情表現であると今でもそれは思っている。そんな私からして何かを形にしてロストに届けたいって衝動に駆られたあの日。ロストは、海北さんはそんな思いにさせるバンドであり、人だった。それくらい身近にいるバンドだから。こんなにファンに近くてファンを大切にしてくれるバンドはいない。だからなんだと思うきっと。
身内の一大事にじっとしていられない自分だったんだと思う、きっと。
そんな思いを抱いて友人mi-hoさんとムジカで会った2月17日、さくらプロジェクト@lit_0526は発足した。そこからの約3か月、たくさんの方々の真心に触れ、何度も感動をし、胸を熱くしながら『~五月の桜~ ファンからのおとどけものVr』
を作らせていただいた。
ファンの想いがどこまでバンドマンに届くのか。そもそもファンに介入できる事なのか。それだってわからない。ファンはファンであって友だちじゃないから。ただ、何もせず後悔するなら何かをして後悔した方がいいと思った。そしてさらに背中を押してくれたのはシロップ五十嵐の小休止前のインタビューの一言だった。シロップのライブで盛り上がっているお客さんの姿が、人との関わりが本当に苦手な五十嵐の希望だと。そのお客さんにもっといい曲を届けるためにシロップは小休止をした。あの、五十嵐の口から出たその言葉に、ファンってバンドマンの糧になれるんだと改めて思った。嬉しかった。
そんなこんなで円山公園や大通公園に桜や花々の撮影に行ったり、ビデオ編集に徹夜したり、トールケースやレーベルデザインに悩んだり。ホントにワクワク楽しい時間だった。その間にホールライブのチケットが全てソールドアウトになった。公式から発表があり、海北さんや大岡さんからも喜びのコメントが出た。本当に嬉しかった。悔いのない歌が成功する条件の一つがチケットのソールドアウトだと思っていたから。そんなこんなでmi-hoさんと協力しあいながら完成に漕ぎつけたのも今となってはとても大切な思い出になりました。mi-hoさん、そしてご協力くださった方々、本当にありがとうございました。
・・・・・・・すべての環境が整って・・・
・・・・・・・そして・・・
5月26日 ロストインタイム 悔いのない歌が始まる。
渋谷駅西口の風景はハチ公側とは大違いでとても落ち着いたステキな街に見えた。
歩道橋を渡るとすぐにさくら通りが。その坂は短いけれど結構急で大岡さんが走ってあれだけ息が切れたのもわかる気がする(笑)
会場に飾られたお花。有江さんが個人名義でお花を出していた。有江さん、本当にロストを愛しているんだなぁとジーンときてしまう。
さくらホールはとても落ち着いた会場でロストのホールライブにぴったりだと思った。
私たちは前から7列目の真ん中あたり。ステージが程よく近くて全体もよく見える位置だった。個人的に多分ベスポジ。ライブハウスとは違い床が坂になっているので人に視界を遮られる事もない。何ていいの?! ほぼ定刻の18時ライブ開始。
おもむろに客電が落ちる。薄明かりの中刻まれる時計の音。カチカチカチカチ。
まさにロストインタイム?いや、この日は違ったね。まるでロストの歴史を遡るような時の刻みに聞こえた。
1曲目ライラック。1曲目から感極まった。書いてる今も泣けてくるくらいだ。
聴きたかった、海北さんの声。三井さんの煌めくギター。楽しそうにリズムを刻む大岡さん。
ずっとこの3人で、バンドセットのロストインタイムを観たかったんだと思う。
この日2人は殆ど全曲海北さんと一緒に歌ってたよね。楽しそうに愛おしそうにお客さんを見てくれてたね。
2曲目から古い曲が続く。ロストが最もその音にパンクを宿してた頃の曲。「約束」。もう2曲目からべースのゴリゴリ感全開だった。
ベースの音量があがり、ベースマン海北の今まで見たこともない大きなアクション。そしてギタリスト三井さんの、町田さん曰く「バカテク」ギターがあちらこちらで炸裂する。
大岡さんの裏打ちとタタタタタタタタタタタタの細かなスネアドラムが海北さんの歌の熱量をあげていく。
海北さん、最初っから全力全開。
6曲目「30」。MOROHAで有名になったのかもだけれどロストの30はロストでしか出せない30だよ。
この日の三井さんと大岡さんのコーラスの美しさ。曲の表現する力を何倍にもあげていたね。相当練習したはず。こんなコーラス簡単にはできない。これを聴いても本当に悔いのない歌にむけて全力だったんだなぁと伝わってくるものが半端ない。
7曲目「残像」8曲目「Nocaster」でロストの陰の部分を歌う。こんな曲を歌う時の海北さんの目に狂気が時々宿る。騙されちゃいけない。ロストインタイムはロックバンドだ。海北大輔は多分羊の皮を着た狼になる時もあるんだと思っている(笑)
9曲目「ココロノウタ」
「悲しい事が悲しいんじゃなくて 悲しいと言えない事が悲しい」
なんでわかるの?バカヤロー!!と思ってずっと聴いてきた曲。
10曲目「傘のない帰り道」海北さん、一色さん来てたよね。雨が降ってなかったのは、一色さんのロストを思う思いやり?それか正夢フェスとかの一色さんからのお礼かな。でも、ちょっと悲しい傘のない帰り道だったよ。
いつもはあちこちで楽しいMCが入るけれど、この日はMCはほんの3回くらい。
確か19曲MCなしで突っ走ってた。私の好きなバンドはMCが少ないバンドが多いからそれでも全然かまわない。音楽でしか伝えられない事が絶対あると思う。
20曲目「五月の桜」の前にピアノの前に立った海北さんが言った言葉。
「心が折れてしまってとてもしんどい時間を過ごしたけれど、これからも歌い続けようと思わせてくれたのは、今日この時を選んでくれたあなたのお蔭です」
「いろいろ話してしまうと気持ちが薄まってしまいそうなので、感謝の気持ちは歌う事でしかお返しする事ができません。でもこれだけは言わせて下さい・・・・・・・・・・・・これからも・・・・・・よろしくお願いします」
苦しい苦しい絞り出した言葉。胸が締め付けられた言葉。
多分かろうじてロストを続ける決意だけはすることが出来たのだと思う。
この一言をたくさんのお客さんの前で伝える事にどれだけの迷いがあったのだろう。彼は本当に不器用で正直な表現者だなと思う。自分に嘘をつけない。迷いのトンネルなんて多分抜けてない。
ただ海北さんが言っていたように、人と会って歌う事でしかきっと答えは見つからない事にやっとやっと納得がいったのかもしれない。
・・・そして20曲目。本編最後は「五月の桜」。
今回MVを作ったからだけじゃなく、この歌を本編最後に持ってきてくれたのは、聴きに来てくれたファンに対してのメッセージじゃないかと思う。
たくさんのファンがロストが「好き」でロストの音楽が「好き」で集まってきた。これはロストからのそんなファンへのアンサーソングだと思う。
「ただ僕は君に会いに行くよ」「ただ君が好きって伝えたいから」「読みかけのままのその続きは歩み続けるこの街とともに」
こんな風に歌ってくれて私は本当に胸が一杯でした。。。
そしてアンコール。22世紀。旅立ち前夜。Repentance。4:53am
だけどいつだって 別れは来るからだからこそどうか 今は側にいて手を握って手を握って(22世紀)
もうすぐ此処を 出て行く君に
さよならじゃなく この歌をうたう
一緒に笑った 共に走った
全力だった あの季節を
振り向くな前を向け
小さな命を 僕等燃やしてる
(旅立ち前夜)
好きだからこそ嫌いになった 好きだからこそ大嫌いになった
誰にも見向きすらされないまま 一つの光がただ静かに消えるだけ笑い合うことや幸せってものが こんなに難しいとは思わなかった
(Repentance)
夜が終ろうとしてる4:53am
薄らと白みがかる 街並み 冬空 君の手サヨナラ。。。
サヨナラ。。。(4:53am)
このアンコール4曲。海北さんの心情を映し出すような選曲に思えてならない。
生きる事
死ぬ事
別れる事
何一つ、変わらない物、終わらない物なんかない中で、唯一海北さんを繋ぎ止めた音楽さえも彼の心を苦しめて。一体何のために生きていくの?
誰もその答えは教えてくれない。
知ることができるのは自分しか、多分、いない。
その葛藤を見届けていきたい。
海北さんがどんな答えを出すかはわからない。
でもね、きっと答えは見つかると思うんだ。
ファンにこれだけ自分をさらけ出す。甘えでも何でも信頼してもらえてるってことだと思う。
ロストの海北大輔がきっと今の闇を抜け出す時が来ると信じられるから。
自らの全てをさらけ出す彼の歌から、曲から眼なんて離せるわけがない。
祈るような気持ちで見届けるよ。
ねぇ、あなたは愛されているよ。でも、それさえも辛い時があるね。
面倒くさい海北さんは、大岡さん、三井さんだからこそロストは続いて行けてると思う。
特に大岡さんがいなかったらとっくにロストは終わってたはず。
やはり奇跡のトライアングル。
絶対なんかない。でも。
きっと偶然なんかじゃない。
今3人で鳴らせる奇跡。
wアンコ前の時計の音。
あの音はロストの新しい時間が刻まれ始めた音だ。
きっとずっと忘れない。
あなたの戦いを。
あなたの悲哀を。
それでも歌い続けると、歩き続けると決めたあなたの勇気を。
絶唱だった。
奇跡のバンドサウンドだった。
ロストインタイムの歩みのマイルストーン。
悔いのない歌、大成功おめでとうございます!!
PS.ロストが本気出したから本気出しましたよ、頑張りました!
誰か褒めて(笑) あと乱筆乱文および記憶違い等あると思います。
どうかお許し下さい。