今頃になってやっとエレファントカシマシの新曲RESTART/今を歌え初回限定盤の28年目の野音ライブ音源を聴くことが出来た。
この音源はちゃんと時間のある時にじっくり聴かないといけないと思っていたらこんな時期になってしまった。
今年の野音は外聴きだったし、記憶を書きとどめても置くことができなかったので最早記憶の遥か彼方だ。しかしこうやってあの日を思い起こすことが出来てとてもありがたい。
できれば野音音源は全曲が良いし、出来れば映像の方が外聴きにはありがたいのだが、選曲自体が普段ライブで余りやらないものであり選りすぐられたものであった事を知り、改めてこれはこれで聴く者の気持ちを理解してくれていると思った。
今日は聴いた感想をあらあらと。
1.悲しみの果て
2.涙の数だけ
骨太のゴリゴリギターロック。魚さんのキーボードとギターが心地良くファンキー
に曲が鳴っている。アウトロのギターとキーボードの曲の絡み合いが最高。
3.お前はどこだ
イントロ部分のファルセットの入りが神。ここでもう曲の世界観が築かれている?
と思いきや実は歌が入って来てからはどっぷりと和テイストが混ざりこむ。ここら
辺の異空間への移行メロも良い。この曲もキーボードがスパイス。宮本の合唱団
出身者ならではの歌唱力。
4.曙光
こういう曲こそベースとドラムのタメ感、フェイクのセンスの良さが光る。野太い
ゴリゴリのギターもいいリフを弾いている。BPM遅めの曲がグルーヴを増してい
く。タメとフェイクとグルーヴの関係が異常に気持ちが良い。この演奏ならばさぞ
宮本も唄い易いだろうね。
5.too fine life
音源と違って、少しポップに仕上がってるアレンジ。本来ならドンと座った曲がこ
うも変わるものか。
6.秋~さらば遠い夢よ~
曙光からの流れでここでこの曲。曙光からの流れを切らない選曲がありがたい。夜
音ならではの展開に心揺れる。宮本の口笛が良い。アコギと宮本ボーカルと日比谷野
外音楽堂と。あの風景が浮かぶ。見事。
7.真夏の星空は少しブルー
秋~さらば遠い夢よ~からのこの曲。ライフや愛の夢のAL自体は余り好きな方
ではないのでこれくらいで。
エレカシはこんな抒情的な曲とハードな曲とのこのふり幅も凄い魅力の一つ。
8.月の夜
最初ちょっと宮本のギターが危うかったね。バンドが入って来てからが実は凄か
ったりするからねこの曲。変拍子の曲構成の美しい曲だと改めて。にしても魚さん
のキーボードが良すぎる。
9.武蔵野
月の夜からの。「甲州街道~♪」即興からのドラムのハイハットチャチャチャチャ
からの変幻自在感。武蔵野は今は野音くらいでしかやらないけれど個人的にはとて
も好きな曲なので。だから野音は大事。
10.男餓鬼道空っ風
やはり魚さん凄い。バスドラと時々入るギターのグイングインが堪らない。
11.シグナル
野音以外では福岡でやったんだよね。意外とこの曲も最後の方でドラムが力強か
ったりするのね。しっかり鳴っている。そこにギターとキーボードで哀愁が漂い
、宮本ボーカルがそこに乗ると最強。
12.パワーインザワールド
この曲もキーボードヤバイです。そしてドラムとベースですね。こんなバンドサウ
ンドはやはりトミのドラムが鳴ってないと。宮本の声の破壊力もバンドの音がガシ
ッと揺るがないからこその典型。間奏のアレンジ、あれは誰が考えたの?そして
宮本の声がオバケ化していく。こんな曲を聴くとエレカシというバンドの演奏力
の高さに舌を巻いてしまう。
13.男は行く
前は不自由だったと宮本は最近言うが、この曲を聴けばどこが不自由なんだ?と思
うくらい自由にうごめくビート。(はい、意味が違うのはわかっています笑)
途中でトミ(?)か宮本のかけ声が入りすごーいとなる。ブルース味も含んだビート
。ベースが無機質に機械的に冷静に響く。ドラムが総合司会に合わせて自由自在に
、だけど絶対に崩さない。これ、実は大事だよね。他が凄くエモいから。ギターの
ちょっとハウるのもまた良い。
14.風と共に
これは割愛(笑)
ライブ音源としてはものすごく音質が良くてビックリ。
何度も言ってるけど魚さんのキーボードはやはり良いな。昨年もそうだけど、
とても耳に入りやすく残る。それくらい印象的な演奏をしてくれる。
このスパイスがあるかないかで全然曲が違うものになるくらいの。
どの曲も凄くカッコイイロックンロール。こういうのもライブの時には気づきづらくて、こうして後から聴くと分かる事がたくさんあるね。キーボードでエレカシの重めの曲がファンキーにロールするのが堪らなく面白い。全体的にもう少しギターのボリュームを上げても良いのでは?
とてもいいものを音源にしてもらえてありがとうございますという気持ち。
やはり野音は特別だなぁと改めて。外で聴くのもいいけど来年は中に入りたいな(笑)
余談だが宮本が紅白に出られるようになって本当に自由になれた・・・っていうようなMCをしたと今日の山口ライブの感想で見たのだけど、その気持ちもわからなくもない。本当に認められ受け入れる為に色々と策を講じ自分に課してきたものも
大きかったゆえの発言だろうね。でも、世間に今受け入れられたと思っても次どう
なるかわからない世界にいて、自由不自由を語るのは中二か?(笑)と思って
しまうのが本音。究極言っちゃうとね、不自由の中で本物の自由は手に入れる事が
できるんだよと思う。現に売れる売れないにかかわらず、心の自由を手に入れている
バンドマンはたくさんいる。何をどうそんなに売れる事に拘っているのかわからん。
今までだって充分名は売れている方だよ、エレカシ。まぁそこらへんが宮本らしい
んだろうけどね。でも安心しきっていても前にも言ったけど人生は誰もが一生戦い
だから。戦士の休息も時には必要なのかもね。来年出るだろう新譜に期待。